園長からのメッセージ(2009年度・2月号) 園長からのメッセージ(2016年度・5月号)

眼開きて 見きわめよ

 「眼開きて 見きわめよ  耳そばたてて ききただせ  われらに不断の準備あり 手足に 心に ああ準備・・・・・」。ボーイスカウトの連盟歌の中の一節です。育成会会長として長年関わりながら、意識することなく歌ってきましたが、先日何故かそのフレーズに来た途端、体が震えてしまいました。眼を見開いていますか、耳をそばたてていますか、手足に心に。何かが、誰かが、私に盛んに問いただしている、あまりの情けなさに震えてしまったのです。今まで、子どもたちに、教職員に、保護者の皆さんに、家族に、地域の方たちに、世の人に、何をしてきたのだろう、そう問いかける別な自分が私を攻めたてていました。だめだ、まだだ、これからの余生は本気、本気を出そう・・・、そう呟きながらの一日でした。
柿の実の玄関に、横に根をはった茎からりっぱな「たけのこ」が出ている、竹の根とたけのこ、そのものの育ちをしっかり見てとれるものが展示されています。夢の森の竹林からの届け物、それは哲史先生の思いなのか、自然そのものを体感してほしい、その願いのようでした。幼児教育の原点、単に食するばかりでなく、自分たちの手で掘りあげ、調理していく、そして子どもと先生が共食、そこから子ども達の表情が、言葉が、伝えたいことが生まれ、家族への「ねえねえきいてよ、おしえてよ」の、家族の語らいとなっていく。「自然の音を奏でる 葉っぱ 花 手のひら」 、そこに自然の音が奏でられている。見えないものが見え、聞こえないものが聞こえ、感じられないものが感じられ、手足に心に染み込み、本物になるのかもしれません。          
「熊本・大分地震への義捐金」、保護者の皆さんの本物の温かさを感じています。大人が、子ども達が、その一人ひとりの思いやりが本物です。柿の実・夢の森、その温かさは半端でないことが本当に実感できました。6月24日に、九州の園長先生、主任の先生たちに、幼児教育の講演を頼まれていますが、みなさんの義捐金を同じ幼児教育の現場に届けるつもりでしたが、「全日本私立幼稚園連合会」からの「義捐金のお願い」が届きましたので、全国の幼稚園と共に気持ちを一つにすることにしました。私は、密かに5園からの総額と同額を添えて、と思っていましたが、それぞれの園からのびっくりする気持ちの額に嬉しい悲鳴と同時に感激するばかりです。皆さんの本物の温かさ、この本物の温かさを幼児教育を通して子どもたちの「手足に心に」染み込ませることが出来るよう、精進を誓う機会を頂きました。まだまだ受け付けますのでよろしくお願いいたします。
 あの「東日本大震災」の際、みんなの気持ちをしっかりはっきりした形でと思い、宮城県の亘理町と連絡を取り、皆さんから集まった義捐金と、幼稚園バス一台を寄付し、その中に教材や生活用品を積めるだけ積んで届けたことが思い出されます。よく見える形でみんなに喜ばれる形で、その様子が亘理町の新聞まで送られてきました。「常に備えよ、準備、準備」のごとく、常に震災に備えると同時に、常に「何かしてあげられないか」の思いや行動も、冒頭の言葉のように、日頃から「手足に心に」備えておきたいものです。
 子どもたちは本当に温かい、教職員は本当に温かい、保護者の皆さんが本当に温かい、それは真実です。またそれが一つひとつ表現でき、受け入れられていく時、あったかさ、また笑顔がそこに満ち溢れることでしょう。皆さんに感謝するばかりです。ありがとうございます。