園長からのメッセージ(2016年度・12月号) 園長からのメッセージ(2016年度・2月号)

きつつきとむくろじ

 朝早くドアを開け職員室に向かう。トントントン、ちょっとかん高い音が続く。よく聞く音だ。小鳥のさえずる声、いつも心地よい朝の自然の音に落ち着いた一日が始まる。この日は、朝早く出勤してきた栗原学先生が、空を見上げています。「うーん、きつつきの突っつく音がするんです。けど、どこにいるか・・・」、違う方向から降りてきた私も見上げてみると、いました、きつつきが二羽いました。しばらく二人で眺めていましたが、長く突っついていていい音を聞かせていただきました。見る方向を変えるとよく見え、今まで音は聞いても姿を見たことがなかっただけに何か新鮮でした。十本余りある大きな「しだれ桜」のその一本だけがあちこちに穴が開き、大きめな枝が相当数落されています。今までに気づかなったこと、上を見上げることもあまりなかったこと、自然の中にいながら気づかないことがいっぱいだなあ、「見えないものが見え、聞こえないものが聞こえ、感じられないものが感じられる」には程遠い自分に気づきました。まだまだです。
 タイトルのもう一つの言葉、「むくろじ」のこと。冬休みの先生たちへの課題の一つに、「1,2学期の保育の中で自慢できる、他の先生にお奨めできる保育を紹介してください」ということがありました。一年目の先生が、むくろじの実を泡立てて、子どもたちとシャボン玉をして遊んだことを報告しているのを、読んだ後、ポストの中の郵便物に目を通すと、横浜市の荏子田小学校の校長先生のお便りが届いていました。偶然にも「無患子(むくろじ)の願い」、という素敵な文面でした。私も同じような願いから、20年余り前裏の野原に「無患子の木」を植樹しました。ほやほやの先生がその実に気づき、保育に生かしたことが嬉しかっただけに、その便りに感激いたしました。
 玉川中央、夢の森を覗いても正月遊びが繰り広げられています。柿の実の作品展にも子どもたちが制作した「羽子板」が展示されるでしょう。そうです、羽根つきのあの固い黒いもの、まさに「むくろじ」なんです。むくろじ、漢字で「無患子」、つまり「子に患い(わずらい)が無いように」、子どもたちに「無病息災のお守り」として、昔遊びが引き継がれている、親が子を思う姿、素敵です。これを機に、夢の森の広場にも、玉川中央の小鳥の森広場にも「無患子」の木を植樹いたします。親が子を思うシンボルの木として、子どもたちに引き継がれることを願って。3月までには何とかします。4、5年前に近隣の初老の婦人何人かがその実を拾わせてください、と尋ねてきてました。最近は来ないけど、元気かどうか心配になりました。将来実をいっぱいつけた無患子、近隣みんなに、勿論保護者みんなに届くと素晴らしいな、そんな思いになりました。
 もう一つ、荏子田小学校の便りの締めに、「団欒」の語源が書かれていました。「団欒」の「欒」は、ランと読みますが、本来は樹木の名前で、別名「むくろじ」です。ありがとうございます。私も一つ物知りになりました。冬、寒い日が続きますが、最近は無い家庭があるかもしれませんが、あったかーいこたつに手を入れ、またみかんを食べるのが大好きで、なぜかそのまわりには家族がいつのまにか集まってくる、本当に大好きでした。
 あたたかい家庭でゆっくり団欒して、にこにこ笑顔の子どもたち、本当にいいですね。

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