園長からのメッセージ(2009年度・2月号) 園長からのメッセージ(2015年度・冬休み号)

子どもの最善の利益

 「子どもの最善の利益」という言葉は幼児教育の保育指針として、1994年に明記されてきたものです。私たち大人が、子どもたちに関わる人たちが、教職員が子どもと向き合う中で最も大切にしたいこととはなんだろう、との思いを常にもって保育してほしいという指針です。
 子ども一人ひとりの立場・思い・意欲・関心、その権利を尊ぶと子どもは自立するとも言われます。「子どもの権利」を尊ぶ、それは強固な信頼関係があってのことです。親と子が、先生と子どもたちが、先生と保護者が、家族一人ひとりが信頼し合っていることがすべての原点、そこに尽きます。
 「子どもの最善の利益」を考慮する時、その考慮を日頃から考えていきたい。まず、子どもの命や健康、成長・発達が脅かされることのないように考慮したい。次に、子どもへの差別、偏見、軽視・蔑視がなされないように考慮したい。更に、子どものニーズ、思い、願いを無視、軽視しないように考慮したい。そして、子どもの意見・意思・関心・夢を確かめるように考慮したい。目指すものは子どもたちの自立、決して私たちの思いだけを目指すものでもありません。
 私の子ども時代、「こたつ」が大好きでした。「猫はこたつで丸くなる」ように、暖を取る時の幸せ感、そして一番は子どもたちがこたつに座りお勉強、すると母が「寒い、寒い」と言って冷たい手をこすりながら子どもたちの後ろから抱くように座り込んできてあったまる、冷暖房がない時のあの頃はいつしか家族みんなこたつに集まりました。家事の合間に時折こたつに入ってきた母、きっとこたつの「暖」より、子どもたちとの「暖」をとってたのかなあ。学校に行っても「おとうさん」ではなく「せんせい」だった父は夜遅く帰ってきては、寒くても寒いとも言わず黙ったままいつの間にかこたつにいました。こたつにそれぞれが入ってきては、みかん食べたり、じっと見てたり、おしゃべりしたり、そんな「こたつ」が大好きでした。そのこたつも一家に一つ、自然と集まる。夜の遅い食事も当然こたつ、本当にこたつは家族が「あったまる」場でした。その更なる昔は「囲炉裏」だったのかな。今は「食卓」でしょうか。
 冬休み、それぞれの家族がそれぞれの「食卓」でいろんな「あったまる」光景が思い浮かびます。鍋物が美味しい時期でもあります。鍋・・・、思い出すのが「豆腐」、豆腐には一年中お世話になっているなあ。どこかでお酒・ビールを、その時も冷やっこ、そして冬は湯豆腐、冷やしたりつぶしたり固めたり温めたり、どんなときにも豆腐が入ったものがそばにある。どんな料理にも自分をあらゆる形状にして合わせていき美味しいものに変えていく「豆腐」、本当に有り難い。あるお寺の住職さんによると、豆腐は人様の手により、重い石を乗っけられ押しつぶされ、煮えたぎらされたり冷やされたり、またまた固められたかと思うと、きられたり砕かれたりと、その人生は人様のなされるままです。けども必ず、自分の持ち味を活かしている、と。どんな料理にも合わせていく、つまりどんな人も受け入れる包容力、そして自分をいつでもいろんな場でしっかりと保ち存在感を示してくれます。
 「そのとき、そのばで、そのことを」モットーに、人生を生きよう。今年はまだまだだった。