園長からのメッセージ(2014年度・7月号) 園長からのメッセージ(2014年度・9月号)

子どもに寄り添う

 毎日暑い日が続く。その暑さには体が悲鳴を上げている。空調に頼りがち、どこかで集中豪雨、本当に心配でならない。室外機の、車社会の、火力発電の、地球温暖化の・・・、とにかく暑さには誰もが苦しんだ夏でした。
 夏期保育の始まり、子どもたちに会えるだけで暑さはどこかに消えていきます。大量の汗、その汗は子どもたちと園庭を駆け回り、キャッ―、キャッ―とはしゃぐ水遊びで心地いいものに変わります。こだまする子どもたちの歓声と笑顔が、また子どもたちとびっしょりになった先生方の笑顔が長い夏休みに終止符を打つかのように幼稚園に戻ってきました。これこそ幼稚園、こんな光景が子どもたちを大きくしていく。
 子どもたちと挨拶と握手が出来る、園長にとって最高の場。どの子どの子も嬉しそうです。二日目、一人の女の子がえんえんと激しく泣いています。三歳の女の子、バスに乗る時からのようです。嫌なことがあったのか、お母さんから離れたくないのか、お家で好きなことをしたいのか、お母さんも先生方もあの手この手で、またいろんな言葉をかけてなだめていました。激しさを増すばかり、勿論私の「おはようございます。」にも、握手にも反応しません。その子を見つめていると、泣きじゃくりながらも目は一瞬こちらを向きました。なぜか私にもわからないがその場で出て来た言葉が、「あついねー」、その子に訴えるかのようにささやきました。すると、こくっとして「うん」、するとぱっと泣き止んで歩きだし、私と握手して門に入っていきました。本当に暑かったんだ、泣きたいぐらい、泣いても泣いても周りは泣き止ませようとするだけ、怒る、叱る、なだめる、ほっとく、私が偶然に語りかけた「あついねー」の言葉で十分でした。
 子どもに寄り添う、共有する、共感する。子どもを受け入れる、認める、褒める、いろんなことを考えさせられました。大人同士が道を行きかう時に交わす言葉がなければついつい、「暑いですねー」、その一言で素晴らしい挨拶の役目を果たしてきたことにも気づきました。子どもに寄り添う、本当に難しいことです。それは私たち大人も含め、誰にも共通する課題です。目でうなづいて戴くだけでも重荷が取れることも、ちょっとした一押しで目の前の壁を乗り越えることも、認められたり褒められたり、それが一度の経験でも自信につながります。幼児教育に限らず、すべての教育の基礎は人づくり、「生きる力」の源を一つひとつ培っていくことでしょう。それは、子どもたち・先生・ご家族、この三者が「三位一体」となっていつまでも取り組んでいくこと、終わりはないものです。いろんなことを学び人としての色合いやつや、力強さはみんな違うが、育ちのスタート。職員室に戻ると、年長の女の子、可愛いリボンに「わっー、かわいい!」、するとはみ噛むように「ありがとう」、そんな素直にさりげなく「ありがとう」の気持ちが表現できたらなあ、私にとっての今日一番の学びでした。

 

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