園長からのメッセージ(2009年度・2月号) 園長からのメッセージ(2013年度・6月号)

大好きこそ、原点

 大好きいっぱい、大好きになった、大好きだよ、大好きだからやれたの、大好きだから許せるの。子どもたちに「大好きいっぱい」が、一つひとつ増していくとどんなに楽しくなるか、いつも想像しています。何でも誰でもいつまでも大好きであってね、と、いつも願っています。友だちが、幼稚園が、先生が、歌うことが、お絵かきが、遊ぶことが、食育が、一緒に食べることが、野菜が、果物が、木の実が、土いじりが、森が、自然が、山遊びが、縄跳びが、走ることが、泳ぐことが、蹴ることが、投げることが、踊ることが、・・・・・。楽しくなる、嬉しくなる、ますます大好きになる、信頼しあうようになる、上手になる、仲良しになる、自信となる、・・・。
 外での会議を終えて門から入ってくるなり私に、年長さんが「園長先生!今度一周走るね!」と大合唱。その声には自信とわくわく感と頑張るぞ、の決意みたいなものを感じました。先生の言葉かけが功を奏したのか、走ること大好き、みんなに満ち溢れていました。縄跳びをこつこつと頑張る、その横で成功したら大喜びで抱きしめて一緒に飛んではねている先生たちの光景、時にはお母さんの姿も見かけます。その時からその一瞬の時から「縄跳び大好き」、そして自信満々の顔が覗えます。すべてのスポーツも芸術も知的能力も会話力も技術も、はじめの一歩は「大好き!」が原点のようです。褒められる、認められる、うまくいった時の喜び、一緒に喜んでくれた、「大好きになる」はじめの一歩もいろいろでしょう。
 私も小学校時代、苦手がありました。運動と勉強は大好きで、人並みに頑張れました。どうしても見たくなかった通知表は、音楽と図画工作、他の教科は最高評価でもこの二つは「3」、一年生から五年生までそうでした。大嫌いでした。絵を描く、何かを作る、とんでもないこと、それが大好きで描きたい・表現したい・作りたい・建てたい、そんな欲求に駆られるようになったのは、六年生の時の美術の「水野先生の一言」でした。クラスのみんなに「これ、すごいよ、こんな表現は誰にもできないよ、海は水色、山は緑、そんなはずはない、見てみて、その色はどこにも使われていない、けど素晴らしい!」。大絶賛でした。それからは勿論、下手ではあっても、描くこと作ること、創作することが大好きになりました。彫刻や絵画の収集もそれからです。内緒で、息子や娘の絵も大事にとってあり、りっぱな額縁に保存してあります。
 音楽は本当に大の、大の苦手、苦手だからこそ、「やってみな」、と女の鼓笛隊に無理矢理入会させた担任の田中先生に感謝しています。運動大好きで一番のわんぱくの私が、あれよあれよと、鼓笛隊の先頭で指揮棒を持って行進することになったのです。苦手なものへの初めての挑戦でした。今でも苦手ではあっても、歌ったり踊ったり聞いたりすることは大好きです。演奏だけは何もできないけれど、どんな楽器であれ、うまく演奏する人、それらに触れて楽しんでいる人、みんながなぜか、私の尊敬する憧れなのは、その時からです。
 家族大好き、友だち大好き、先生大好き、自然大好き・・・、いっぱい大好きが溢れてほしいな。楽しさと喜び、自信はそこからの「はじめの一歩」です。